皆様こんにちは。
本日はお忙しい中にもかかわらず、
お集まり頂きまして、ありがとうございます。
本講座の一番最初に、少し長くなりますが
「いまExcelを学習する意義とその方法」についてお話します。
ポイントは5つです。
1:国の指針(働き方改革)
2:RPAよりマクロ・VBA
3:Excel学習の2つの要素
4:発想力向上は、”わたあめづくり”
5:コピペすべきは”データ”だけでなく、”感覚”
1:国の指針(働き方改革)
現在日本は生産労働人口が減少局面にあります。
過疎高齢化一直線です。
職場のメンバーが昔よりも人数が減って
しかも高齢化するということになります。
普段の業務が複雑になっていく一方、
それを処理する一人あたりの負担が増える
見込みということになります。
今までと同じではパンクしてしまうだろうと
これを解決すべく、
デジタルレイバー(digital labor)
という概念が生まれています。
デジタルレイバーとは
「仮想知的労働者」のことを指します。
しかし、労働者といっても人間ではなく
定型作業を自動でこなしてくれるロボット、
AIやツール類のことを指します。
また、
従来よりも少ない人数で生産力を高めるための
手段の1つで注目されているのが
“RPA”です。
RPA(Robotics Process Automation:
ロボットによる業務自動化)とは、
人間が手作業で行っている業務を
決められた手順でロボットが代行することで
業務の大部分を自動化させることです。
(ロボットとはいっても、物体として存在していません。
主にパソコン上に作られた業務自動化フローのことです)
ところがこれには潤沢な資金と優秀な技術者と
多くの準備や検証時間が必要ということで
なかなか導入が簡単にできないというのが実情です。
2:RPAよりマクロ・VBA
しかし、業務効率化のために
必ずしもRPAが必要な訳ではありません。
Excelが取り扱えるデータソースであれば、
マクロ及びVBAで十分に自動化が可能だからです。
マクロとは
「複数の手順を記憶し、自動的に実行させる」という機能です。
人の手で何時間もかけていたような仕事が
数秒で終わるという劇的な効率化を可能にします。
また、人間が行うとどうしても起きてしまうのが
ケアレスミス、ヒューマンエラーですが、
それも発生しないので、正確性も向上します。
VBA(Visual Basic for Applications)とは
ExcelやWord等のアプリケーションで使用する
マクロのコードで使われている言語です。
Excel VBAを使いこなし、業務効率化を目指すためには、
まずはExcelの基本知識が必須です。
3:Excel学習の2つの要素
それは
”機能”と”関数”
です。
Excelの”機能”とは見やすい表を作るための機能や
印刷に関わる設定等を指示する命令のことです。
Excelの”関数”とは
複雑な計算を1つの数式で計算させる仕組みのことです。
実務では
Excelの機能と関数を業務の場面ごとに
“使い分ける能力”が要求されます。
業務改善においては
機能と関数を
“使いこなして効率化させる能力”が必要です。
ですので、
Excelは使い方の丸暗記だけしてもあまり意味がありません。
使い分けたり、使いこなせないといけないからです。
それには、
”事前に”
”分ける”
”合わせる”等の
処理を組み立てる「発想力」が必要になります。
4:発想力向上は、”わたあめづくり”
発想力の向上は、”わたあめづくり”に似ています。
知識という”わたあめ”が業務や学習に取り組むことで
少しずつ絡まりながら大きくなっていきます。
人は成長すればするほど、
自分の”知のゲシュタルト”が大きくなっていきます。
ゲシュタルトとは
“全体を部分の寄せ集めとしてでなく、
ひとまとまりとしてとらえた、対象の姿。形態”
とあります。
成長すればするほど、知識が増え、
それがネットワーク化して、
より大きなゲシュタルトになります。
そして、
わたあめを作るのに大事なものがあります。
それは
割り箸(軸)です。
これがなければ、わたあめが作れません。
人間も同様に、
自分の中に”軸”がなければ、わたあめが作れません。
軸を持たずに何かを学習しようとすれば
簡単に挫折してしまいます。
何かの学習の前にはまず、
自分のテーマ、軸を決めましょう。
“なぜExcelを学ぶのか”
という志さえ立たせることができれば、
きっと大きなわたあめが作れるでしょう。
5:コピペすべきは”データ”だけでなく、”感覚”
テーマが決まっているなら、自分の軸ができているので
わたがしの棒にわたあめが付いていくかのように
知識が軸に絡み取られて
少しずつゲシュタルトが構築されていきます。
Excelだけではなく、
全ての学習は
「できる人の感覚を取り入れる」
ということが最も速いです。
逆に言えば、感覚さえ流入すれば、
難しい知識はそんなにいらなかったりします。
では、
「Excelが得意になりたいなら 何をしなければいけないか?」
それは、
「最低限の知識を元に、
より抽象度の高いゲシュタルトを作ること」です。
飲み込みが速い人は
他の分野で突出したゲシュタルトを
持っている人が多いです。
それを新しいことを学ぶ時に
俯瞰しながら応用しているので
飲み込みが速いのです。
そのゲシュタルトを作ろうと思ったら、
脳に相当分の負荷をかける必要があります。
脳に負荷をかけて、
一定水準以上のゲシュタルトができた時、
感覚が変わり、それが得意になり始めます。
この「ゲシュタルトを作る」のに最も早いのが、
「既にゲシュタルトができている人の感覚をうつして、
そのゲシュタルトをそのまま脳に移植すること」です。
”守破離”の
守と破というのはこれに当たるのでしょう。
そして離は
その構築したゲシュタルトを一度崩壊させて
新しい世界を生み出すということなのでしょう。
この感覚が分かっている人は、
Excelやパソコンだけでなく
何を勉強してもすぐに身に付けられる人です。
これからこの講座で是非、
デジタルなデータの操作を通して、
その背景にあるアナログな感覚を
コピーしていって下さい。
初心者の方は、まずは事務員レベルに。
事務員レベルの方は、講師レベルに。
講師レベルの方は、エンジニアレベルを。
本講座にお集まり頂いた皆様全員の
成長と進化のお役に立てれば
これほど嬉しいことはありません。
本日の奉納講座にお集まり頂いた皆様に
心より御礼申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。